JP
EN CN

すべて

鹿 鹿 鹿

JWマリオット・ホテル奈良の中にはいくつもの鹿がいました。

ロビーの大きな壁画、木彫りの置物、スタッフの方が腰につけているワイヤレスマイクのバッグ、客室には小さな木彫りの置物、角の壁飾り、エレベーター内の鏡に鹿の絵、子供向けのノベルティには鹿のぬいぐるみ、鹿の塗り絵などなど。
かっこいい鹿、素朴な鹿、エレガントな鹿、抽象化された鹿、可愛い鹿、鹿、鹿、鹿。あらゆるタイプの鹿。

鹿の概念化と再解釈が繰り返された形跡を感じます。
インテリアデザイナーも、客室のコーディネーターも、ファッション(制服)デザイナーも、グラフィックデザイナーも、とにかくみんながみんな、「やっぱり鹿は入れたいよね」という気持ちで仕事をしたかと思うと、鹿の人気ぶりにたまらない気持ちになります。

それに負けじと、JWマリオットのシンボルであるグリフィンも随所に現れますが、数で負けていました。
日本唯一のJWマリオットを作ったのが奈良ですから、それは仕方ありません。


畔柳

Category ブログ

ホテルの香り

マリオット・インターナショナルのラグジュアリーブランド「JWマリオット」の日本初進出ホテルで2020年にオープンしたJWマリオット・ホテル奈良に泊まってみました。

ホテルのロビーに入ると、「その世界」に足を踏み入れたことを強く感じさせるものがあります。インテリア、サービス、香りなど。
マリオットホテルとJWマリオットにはそれぞれ、世界共通の香りがあり、ブランドのコンセプトに合わせて独自に調香されたものだそうです。
マリオットホテルではゴージャスでエレガント、華やか、花のような香りに、JWマリオットでは華やかだけどより落ち着いた、健康的な香草や木の香りが出迎えてくれました。

なお、それらのアロマはエントランスで最も強く香り、プライベート空間である客室には無く、アメニティの香りにそのコンセプトが反映されているのみです。歓迎の場面に香りを効果的に使っています。

JWマリオットのブランドコンセプトは「マインドフルネス」だそうです。
ホテル滞在中は、気持ちを落ち着かせて心身を整えてください、という理念。
マリオットホテルの香りと比較してより健康的な香りに感じたのは、それらを表現した香りだったからでしょう。

香りに対する個人的な好き嫌いの他に、人が香りに対して抱くイメージには一定のパターンがあり、それは経験や文化によって形成され、ある程度共通のものなのだろうと思います。

香りのデザインはどのように行われるのでしょう。
まったくの門外漢が勝手なことを述べますが、香りのデザインは、カラーコディネートに似ているのかもしれないと想像します。
色は単色でもいくつかの印象を持ち、配色(複数の色の組み合わせ)ではさらに具体的な印象を持ちます。
例えば赤という色は単色では「暑い(熱い)」や「情熱」という印象がある一方、「辛い」「危険」などの印象も人に与えます。
それが赤黄緑という配色になると、「にぎやかな」印象となります。栄養たっぷりの野菜のような赤黄緑の3色セットに、熱さや危険はあまり感じられません。(このような配色の持つ印象、つまり多くの人がその配色に抱くイメージと配色パターンを紐づけたスケールを、日本カラーデザイン研究所が定義しています。)

香りにおいても、素材やブレンドには多くの人が共通で抱くイメージがあり、それらを踏まえてブランドが発信したいメッセージに合う香りをデザインしてゆくのではないでしょうか。
ちなみに、香りの世界も、一人のカリスマが創り上げる場合と、スタジオなど組織的に香りを創造する場合とがあるようです。チームで香りをデザインするプロセスには大変興味が湧きます。
それにしても、グラフィックデザインにおいてブランドの基本カラーとして定義する色数に対して、香りのデザインにおいて調香に用いる香りの素材の数はとんでもなく多く、そのブレンドは複雑なのではと想像します。何より、いくつもの香りを嗅ぎ続けても判別を誤らない、絶対的な嗅覚が必要です。


畔柳

Category ブログ

年鑑 日本のパッケージデザイン2023 掲載

ブランディングデザインを担当させていただいている乾燥野菜ブランド OYAOYAさまのパッケージが、日本パッケージデザイン大賞のVI・BI部門で入選し「年鑑 日本のパッケージデザイン2023」に掲載いただきました。

おそらく全プロダクトの写真がこの本のために撮り下ろされており、デザインもとても素敵で、発行元の熱量を感じる一冊です。
興味ある方は是非見ていただきたいです。

審査員の西村雅信先生が「野菜は、不幸だ。」から始まる、ハッとするコメントを寄せてくださいました。
OYAOYAは規格外野菜を使用するところからスタートしたこともあり、農家さん側での選定含めた出荷前の野菜のことばかり考えていましたが、よく考えたら店頭に並んでからも比べられて、選ばれたり選ばれなかったりしているのだなと教えていただきました。
お肉やお魚はグラム数で値段が変わったりしますが、野菜と果物は裸一貫のストロングスタイル。あって透明な袋とワンポイントのシール程度でしょうか。幾十ものパッケージの衣を身に纏っている加工品たちと比べると、随分不憫に感じます。

食べるのが大好きな私にとってはとてもありがたいことに、食品のパッケージデザインの仕事がしばらく続きます。
お手伝いさせていただいているOYAOYAや、この本に掲載されている素晴らしいパッケージデザインの商品たちを通じて勉強させていただき、より良い「パッケージとは何か」を私も考えていこうと思います。


畔柳

修理

3月にバウハウス校舎のショップで購入したBodumのChambordコーヒーカップにヒビが入りました。ビーカーのようなガラスカップに再生プラスチックのハンドルが金属バンドで取り付けられたもので、ハンドルはMoMAのオリジナルカラーです。2色セットを2セット購入し、青・赤、緑・黄の4色全て揃えました。
負傷の瞬間は大変に呆気なく、空のカップに氷を「コトン」と入れただけで底にヒビが入ったのです。しかも愚かなことに、朝に1つのカップにヒビを入れ、お昼前にも別のカップに同じことをして計2個のカップをダメにしました。

大変落ち込み、カップを捨てる気になれず保管して眺めていました。
陶器が破損した場合には自分で金継ぎをして直していますが、複雑にヒビの入ったガラスは修理しても容易に壊れそうです。どうしたものかと悩んでいたところ、家に遊びに来た友人が助言してくれたのです。
「おんなじようなビーカー買って、これ(ハンドルと金属バンド)付け替えたらええんちゃう」
「それや!!!」天才か。感激しました。
早速AmazonでHARIOのビーカーグラスなるものを見つけて2個注文しました。クラフトサイエンスというラインのグラスで、サイズや見た目はBodumのカップによく似ています。プライム会員なので翌日届きました。Bodumカップのネジを緩め、金属バンドとハンドルを取り外します。
しかしHARIOのグラスはBodumのカップに比べて径が若干小さく、バンドが余ります。仕方がないのでHARIOに合わせて金属バンドを10mmほど短くすることにしました。家にある普通のハサミで強引にカットし、普通のドライバーでグリグリと30分かけてネジ用の穴を開けます。繰り返すこと2回。
そして誕生したのがこの少し小さめのChambordコーヒーカップです。元々のカップよりもガラスが厚く、頑丈そうです。

壊れたプロダクトの破損箇所だけ交換することができました。サスティナブルです。
なにより、ドイツで買った思い出の品をドイツ的な方法で使い続けることができ、感無量です。

それにしても、残りの2個のカップもいずれ小さくなる未来が見えます。
そうなるともはやHARIOのコーヒーカップなのでは?
修理の容易性も大切ですが、そもそももう少し頑丈でもいいんじゃない?そう思います。

畔柳

Category ブログ

阪神×巨人

甲子園で2年ぶり(?)くらいにプロ野球 阪神×巨人戦を観戦しました。
天気が良く、前半は浜風が気持ち良い観戦日和でした。

3塁側からの観戦でしたがほとんどが阪神ファンの方々でした。(ちなみに私は野球そのもののファンであり、特定のチームを応援しているわけではないです。上手いプレーや良いプレーを見ると幸せな気持ちになります。)
今回は4-2で阪神が勝利、抜きつ抜かれつのナイスゲームでした。大山選手と岡本選手、両チームの4番バッターのホームランが見られたし、吉川選手、中野選手のセカンド守備も素晴らしく、良い気分でした。

旅行プランに組み込まれているのか、外国人観光客の方も結構な人数が観戦されていました。確かに甲子園(というか阪神戦)での野球観戦は阪神ファンの応援の躍動感が半端じゃないので、それも混みで立派な観光資源と言えます。

私も大谷選手を見に、今年か来年にボールパークに行きたいです。
その頃大谷選手はどこのチームにいるのか、、、トレード期限が1週間に迫っているので勝手にドキドキしています。


畔柳

Category ブログ