ドイツとモジュール
ドイツ旅行記 1
3月上旬、ドイツに5日間行ってきました。
しばらくドイツとデザインについての記事が続きます。
街を歩いていると、一貫されたモジュールで構成されたプロダクトがよく目につきます。
ドイツの人は息をするようにモジュールでデザインするのだろうなと思わされます。
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デュッセルドルフで訪ねた友人は、
「使いやすいかどうかじゃない。全ては「決めたモジュールに当てはめる」という動機で製品が作られている」と、小さな冷蔵庫に腹を立てていました。洗濯機も含め、冷蔵庫、食洗機、オーブンなどが全てシステムキッチンにビルトインされているのですが、全て幅60センチというモジュールに合わせられているために、オーブンはオーブンにしてはものすごく大きく、冷蔵庫は冷蔵庫にしてはものすごく小さいそうです。冷蔵庫の容量を増やすには、幅60センチのまま縦に拡張するしかないとか。それは細長い。
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しかしながら、そんな、犠牲にしているものも多少あるストイックなモジュール思想は、公共物や住宅設備、家電のデザインにおいては特に、古びない、整然とした美しさの源になっています。
メーカーの異なる製品も、モジュールが同じであれば整頓してインストールすることができるし、一部が壊れても同じモジュールの新製品で置き換えることができます。
また、製品のかたちにおいてモジュールは、その個性や流行(時代性)を排除することにもなり、陳腐化つまり「ダサく」なることを避けられます。
ドイツの人はものが壊れても、繰り返し修理してずっと長く使うそうです。
モジュールは、その生活に不可欠な知恵なのでしょう。
畔柳
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海外旅