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海外旅

バウハウスの校舎

ドイツ旅行記 5

ベルリン国際空港から電車を乗継ぎ2時間半、デッサウのバウハウスへ行きました。

駅から歩いて行くと、先に旧学生寮が見え、その向こうがメインの校舎です。渡り廊下をくぐり、大通り沿いから校舎の正面へ向かうと・・・・

まさかの工事中。足場に、だらーんと仮の布製ロゴがついています。改装工事中の店舗に「営業中」と書いてあるのと同じ手法です。完全に、「教科書で見たやつ!」と言うつもりで辿り着いた正面は思っていたのと違いました。外壁がかなり傷んでいたので補修しているようです。どなたか、いつか補修後の様子を撮影されたらぜひ見せていただきたいです。

これは模型。


畔柳

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ドイツのパン

ドイツ旅行記 4

クロワッサンやマフィンでなければ、ドイツのパンは大概表面が固いです。チャバッタも固いし、Roll と書いてディッシュプレートに添えられるパンも固いです。サンマルクで食事中にもらうパンを想像してはいけません。バウハウスの食堂でスモークサーモンとRoll のセットを頼み、Rollにサーモンを挟んで食べましたが、口の中、上顎が大変に傷つきました。反省して2個目のRollはスライスしたRollにサーモンを乗せ、オープンサンドにしていただきました。これが正解です。なお、そもそもサンドイッチとして販売されているものはかぶりつく他ないので、負傷は避けられません。

畔柳

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京都で言うと

ドイツ旅行記 3

海外へ行くと、現地で目的地までの距離感がつかみにくいこと、ないでしょうか。googleマップで検索すれば移動に必要な時間や手段は明確にわかるのですが、マップを自在にズームインアウトするうちに、地点間の距離が長いのか短いのか、よく分からなくなります。紙の地図の縮尺は一定ですが、デジタルな地図のUIには地図としての不動の縮尺が無く、いつも画面の中で相対的に距離や大きさを捉える必要があります。

そこで私は、「京都で言うと」を用います。距離感やスケール感において、自分に実感のある場所に置き換えるのです。
旧友のデュッセルドルフでの住居は、私が宿泊している場所が京都駅前のホテルだとしたら北大路か鞍馬口くらいの場所でした。地下鉄でこちらに来てもらったり、自分が向こうへ行くのに気兼ねの無い距離です。デッサウのバウハウス校舎は二条城の二の丸御殿くらいの大きさでした。あるいは大徳寺の本堂の建物。京都国際マンガミュージアムより少し大きいくらいです。

ちなみに以前訪れたスタンフォード大学の敷地は、京都で言うと賀茂川と高野川と北山通で囲まれる三角エリアほどあります。これは事前に知っておいて本当によかったと思います。日本の大学をイメージしていたら、目的の建屋に辿り着けませんでした。大学構内を移動するために自転車のレンタルは必須です。その時スタンフォードデザインスクールに在学していた知人は「車で大学構内に迷い込んで『どうしてもスタンフォード大から出られないの!』と困っているおばさんを助けた」ことを話してくれました。恐るべき広さ。

畔柳

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オートマティック招き猫

ドイツ旅行記 2

デュッセルドルフでオートマティック招き猫に出会いました。挙げた左手を電動で上下させ、エンドレスに招き続ける招き猫です。お店のショーウィンドウの隅に、かなりの確率でおいてあります。コードはなかったのでおそらく電池式です。

体が金色のもの、銀色のもの、小さいもの、大きいもの、パステルカラーのもの、バイカラーのもの、顔だけスマイルマークにアレンジされているものなど。あらゆるデザインの招き猫がありました。

デュッセルドルフに日本人が多いから日本的なものを置いているのか。でも同じく日本人が多いパリやロンドンで見たことはない。猫が可愛いから飾っているのか。手がじっとしていたら招いている感じがしないから動かしたのか。電動で招き続けることで効果が増すのか。一体なんなの、オートマティック招き猫。

そんな招き猫についての考察が一つ、ホテルに戻って歯を磨いている時に閃きました。

日中訪れたカフェにて、「ドイツでは挙手してはいけない。ヒトラーを思わせるから」と友人が教えてくれました。レストランで店員さんを呼ぶ際には声をかけるか、(漫才のツッコミのように)手を横や下方に出して知らせ、学校の授業では発言の際に(1を示すように)人差し指だけ立てて手をあげたりするそうです。
これです、つながりました。同じ配慮によって、招き猫のポーズが挙手に見えないよう、電動で動かし続けているのではないでしょうか。こんなにも「知らんけど」と続けたくなる仮説はなかなかありません。仮にそうだったとして、モーターで動かして「配慮」してまで多くの店でオートマティック招き猫を置く動機はなんなのか。どのようなニーズがあってあそこまで多くのバリエーションが作られるのか。謎のままです。

などと考えていたら、なんとベルリン国際空港でオートマティック招き猫のソリッドカラータイプが売られていました。一瞬、買わなくてはいけない気がしましたが、堪えました。きっと飾らない。でも、このソリッドカラーなタイプは金や銀のタイプを元にしたリデザインプロダクトのように思えます。日本から伝わる過程でいつ腕が電動化したのか。いや、そもそも日本にもオートマティック招き猫があるのかもしれない・・・という新たな仮説が頭をよぎるのでした。


畔柳

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ドイツとモジュール

ドイツ旅行記 1

3月上旬、ドイツに5日間行ってきました。
しばらくドイツとデザインについての記事が続きます。

街を歩いていると、一貫されたモジュールで構成されたプロダクトがよく目につきます。
ドイツの人は息をするようにモジュールでデザインするのだろうなと思わされます。

デュッセルドルフで訪ねた友人は、
「使いやすいかどうかじゃない。全ては「決めたモジュールに当てはめる」という動機で製品が作られている」と、小さな冷蔵庫に腹を立てていました。洗濯機も含め、冷蔵庫、食洗機、オーブンなどが全てシステムキッチンにビルトインされているのですが、全て幅60センチというモジュールに合わせられているために、オーブンはオーブンにしてはものすごく大きく、冷蔵庫は冷蔵庫にしてはものすごく小さいそうです。冷蔵庫の容量を増やすには、幅60センチのまま縦に拡張するしかないとか。それは細長い。

しかしながら、そんな、犠牲にしているものも多少あるストイックなモジュール思想は、公共物や住宅設備、家電のデザインにおいては特に、古びない、整然とした美しさの源になっています。

メーカーの異なる製品も、モジュールが同じであれば整頓してインストールすることができるし、一部が壊れても同じモジュールの新製品で置き換えることができます。
また、製品のかたちにおいてモジュールは、その個性や流行(時代性)を排除することにもなり、陳腐化つまり「ダサく」なることを避けられます。

ドイツの人はものが壊れても、繰り返し修理してずっと長く使うそうです。
モジュールは、その生活に不可欠な知恵なのでしょう。


畔柳

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