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喫茶マーチ

現在の場所に事務所を構えてはや2年半。
ランチはほとんど三条商店街で済ませていたので、最近まで気づかなかった後院通沿いのお店のご紹介。

喫茶マーチさん。大宮駅からは歩いて5分くらい。
魅力はなんと言っても580円の日替わりランチです。
最近行った時はとても美味しい鯖の味噌煮でした。見た目で判断されたのかご飯大盛にしてくれて、お腹いっぱいでした。
店内に入ると、いまやレトロなお店のサインとして機能していそうなストライプのオーニングテントの陰がほどよく目隠しになり、大通りに面したガラス近くの席でも落ち着いて食事ができました。

どうやらビーフシチューの日があるらしい。
また行ってみます。


畔柳

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OXO アングルドメジャーカップ

一番好きなプロダクトです。
腰をかがめたりカップを持ち上げてメモリを確認する作業、
自然で当たり前で、それが苦労だと認知されていなかった小さな苦労を、軽やかに解決した製品です。
賢く合理的なソリューション、その発想に感嘆します。

2002年ごろに購入しました。
キッチンツールが特集されたデザイン誌で知ったと思います。
画期的な、まさに「デザイン」を体現したような製品だと感じました。

2003年に大学で受けたデザイン方法論の授業で、身の回りの製品のデザインについて説明するという課題に対して、私はこのカップについて記述しました。
担当教官から「題材が良いですね」とコメントをもらい、自分が書いたレポートではなくカップ自体が褒められたことが印象に残っています。

それから20年使い続け、ついに底面にひびが入り、液体がじわじわ漏れてくるようになりました。
2022年に同じものを再び購入しましたが、初代カップを捨てる気になれず一緒に保管しています。

新旧を比較すると、新しいものは
・持ち手がわずかに細く
・指がかりが深く
・数字と文字が太く
なっていました。

20年の間にこんなに微妙なモデルチェンジをしていることに、一体どれだけの人が気づいているでしょうか。
金型を作り直すタイミングで整えたのか、この形状を決めた誰かの思考を想像します。

残念なことに、20年の間にこのアイデアを模倣した安価な商品が次々に発売されました。
多くの人に共感されるものは、唯一無二であり続けることはできないようです。
100円ショップで類似品を見るたびに、OXOのアングルドメジャーカップは「あたりまえ」になったのだなと感慨深いです。
革新的なアイデアが、生活に染み込んで様式になったとも言えます。


畔柳

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国産紅茶

奈良関連の話が続きます。


国内で作られている紅茶に出会うと嬉しくなります。

以前、九州から戻る新幹線の車内販売で購入した水俣紅茶の美味しさに驚き、その場で検索して茶葉を注文したことがあります。
車内販売用のパッケージに何も情報が無く、特定に苦労しましたが、その大変美味しい紅茶は桜野園さんの「さくら紅茶」でした。素朴でありながら香り豊かで、ほのかな甘みがあります。とても気に入って、それからも時々購入しています。

JWマリオット・ホテル奈良のお部屋に用意されていたのは、JUNICHI UEKUBO(上久保淳一)さんの煎茶、ほうじ茶、紅茶でした。
上久保茶園さんというメーカーで、奈良県月ヶ瀬で手もみの日本茶を作られているそうです。

月ヶ瀬というと、国産紅茶のイメージがあります。私は、光浦醸造さんのフロートレモンティーに使われていることで知りました。

JUNICHI UEKUBOさんの紅茶は、渋味が無く、角が取れたまろやかな風味で、どんどん飲めてしまう滑らかな舌触りでした。
また、煎茶は甘味が強く、ほうじ茶は香ばしく、いずれもお茶の「難しい部分」を取り除いた、多くの人に受け入れられそうな優しい風味です。
奈良に来て、奈良の美味しい紅茶を新たに知ることができて嬉しい限りです。

今は家の中からたくさんの情報を得ることも、商品を購入することもできますが、やっぱり良いものに出会うには実際に行ってみるのが一番です。思いがけない出会いによって、自分の世界が広がるのを感じます。

畔柳

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鹿 鹿 鹿

JWマリオット・ホテル奈良の中にはいくつもの鹿がいました。

ロビーの大きな壁画、木彫りの置物、スタッフの方が腰につけているワイヤレスマイクのバッグ、客室には小さな木彫りの置物、角の壁飾り、エレベーター内の鏡に鹿の絵、子供向けのノベルティには鹿のぬいぐるみ、鹿の塗り絵などなど。
かっこいい鹿、素朴な鹿、エレガントな鹿、抽象化された鹿、可愛い鹿、鹿、鹿、鹿。あらゆるタイプの鹿。

鹿の概念化と再解釈が繰り返された形跡を感じます。
インテリアデザイナーも、客室のコーディネーターも、ファッション(制服)デザイナーも、グラフィックデザイナーも、とにかくみんながみんな、「やっぱり鹿は入れたいよね」という気持ちで仕事をしたかと思うと、鹿の人気ぶりにたまらない気持ちになります。

それに負けじと、JWマリオットのシンボルであるグリフィンも随所に現れますが、数で負けていました。
日本唯一のJWマリオットを作ったのが奈良ですから、それは仕方ありません。


畔柳

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ホテルの香り

マリオット・インターナショナルのラグジュアリーブランド「JWマリオット」の日本初進出ホテルで2020年にオープンしたJWマリオット・ホテル奈良に泊まってみました。

ホテルのロビーに入ると、「その世界」に足を踏み入れたことを強く感じさせるものがあります。インテリア、サービス、香りなど。
マリオットホテルとJWマリオットにはそれぞれ、世界共通の香りがあり、ブランドのコンセプトに合わせて独自に調香されたものだそうです。
マリオットホテルではゴージャスでエレガント、華やか、花のような香りに、JWマリオットでは華やかだけどより落ち着いた、健康的な香草や木の香りが出迎えてくれました。

なお、それらのアロマはエントランスで最も強く香り、プライベート空間である客室には無く、アメニティの香りにそのコンセプトが反映されているのみです。歓迎の場面に香りを効果的に使っています。

JWマリオットのブランドコンセプトは「マインドフルネス」だそうです。
ホテル滞在中は、気持ちを落ち着かせて心身を整えてください、という理念。
マリオットホテルの香りと比較してより健康的な香りに感じたのは、それらを表現した香りだったからでしょう。

香りに対する個人的な好き嫌いの他に、人が香りに対して抱くイメージには一定のパターンがあり、それは経験や文化によって形成され、ある程度共通のものなのだろうと思います。

香りのデザインはどのように行われるのでしょう。
まったくの門外漢が勝手なことを述べますが、香りのデザインは、カラーコディネートに似ているのかもしれないと想像します。
色は単色でもいくつかの印象を持ち、配色(複数の色の組み合わせ)ではさらに具体的な印象を持ちます。
例えば赤という色は単色では「暑い(熱い)」や「情熱」という印象がある一方、「辛い」「危険」などの印象も人に与えます。
それが赤黄緑という配色になると、「にぎやかな」印象となります。栄養たっぷりの野菜のような赤黄緑の3色セットに、熱さや危険はあまり感じられません。(このような配色の持つ印象、つまり多くの人がその配色に抱くイメージと配色パターンを紐づけたスケールを、日本カラーデザイン研究所が定義しています。)

香りにおいても、素材やブレンドには多くの人が共通で抱くイメージがあり、それらを踏まえてブランドが発信したいメッセージに合う香りをデザインしてゆくのではないでしょうか。
ちなみに、香りの世界も、一人のカリスマが創り上げる場合と、スタジオなど組織的に香りを創造する場合とがあるようです。チームで香りをデザインするプロセスには大変興味が湧きます。
それにしても、グラフィックデザインにおいてブランドの基本カラーとして定義する色数に対して、香りのデザインにおいて調香に用いる香りの素材の数はとんでもなく多く、そのブレンドは複雑なのではと想像します。何より、いくつもの香りを嗅ぎ続けても判別を誤らない、絶対的な嗅覚が必要です。


畔柳

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