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バウハウスに泊まる

ドイツ旅行記 7

バウハウス校舎に併設され、かつて学生寮として使われていた建物に宿泊することができます。事前にバウハウスのHPから申し込むとすぐにメールが届き返信すれば予約は完了、支払いは現地でOKです。

広いワンルームにあるのはベッドと洗面台、デスク、チェア、キャビネットだけです。かろうじてタオルとコップはありますが、その他のアメニティはありません。自然乾燥させた髪がややボサボサです。トイレと最近リフォームされたであろうピカピカの個室シャワー個室ブース(ふたつ)はフロアごとに共有で一泊55€、前日に宿泊したデュッセルドルフのホテルの3分の1くらいのお値段でした。今回チケット等のアレンジをお願いした旅行代理店の担当者の方に「あの、、このお部屋で、、本当に良いのでしょうか・・?」と心配されたくらい、バウハウスに関心の無い方にとっては簡素すぎて気の毒になるお部屋です。しかしこれこそ真骨頂、キレッキレのプロダクトデザインがたまりません。必要の無いRをつけたら罰せられそうです。食事は、バウハウス校舎の半地下にあるレストラン(AM8:00-PM10:00)が利用可能です。なお、古い建物なのでエレベーターはありません。私は4th floor、つまり5階まで階段でスーツケースを運び上げて息が切れました。

デザインに関心があれば快適な宿泊施設ですが、チェックインだけは手こずりました。旧学生寮でもメインのバウハウス校舎でもなく、その向かい側、渡り廊下でつながった建屋の2階(1st floor)に上がった左奥のオフィスNo.1.47に行く必要があります。予約時のメールに「1.47に来て」とは書いてありましたが、いざ現地に行くとそもそも該当の建物が分かりません。重たいスーツケースを持ったまま右往左往してようやく辿り着きました。これから行かれる方はぜひ知っておいてください。

畔柳

Category 海外旅

デッサウバウハウスミュージアム

ドイツ旅行記 6

バウハウスの校舎からデッサウ駅を挟んで反対側にミュージアムがあります。チケットは9€、1階はミュージアムショップとカフェ、2階が展示室です。専用の部屋でワークショップが開催されることもあります。展示室ではバウハウスの教育プログラムの中で制作された作品を見ることができます。実験的な衣装、光を投影する装置、立体造形、色面構成、ポスター、家具、テキスタイルなど。いわゆるデザイン演習の課題はもちろん、指導者たちのデザインした製品もあり、ものすごい物量です。

そのうち、手描きのタイポグラフィなどのグラフィックデザインの演習作品は特に、自分たちが学生の頃に取り組んだものとよく似ていました。ああ、本当にデザイン教育の元祖がここにあって、我々もその知恵を授かって育ったのかと感慨深く思いました。

しかしショックだったのは、かつて教科書で見た平面構成の作品の一部が立体だったことです。キャンバスから半球と針金が出ています。正面からきちっと撮影された写真ではその構造が読み取れませんでした。

展示室ではデザインを専攻しているであろう(おそらく欧州の)学生が何人も、熱心に作品を見たり、英語や独語のガイダンスを聞いています。大抵のものはインターネットで調べられるし、見ることができる時代ですが、実物を直接見ることの重要性を感じると同時に、地域による経験機会の格差を突きつけられました。

1階のカフェでは、広々とした空間でバウハウスらしいプロダクトと共に飲み物やケーキをいただくことができます。素敵なキッズスペース付きです。為替はさておき、他のお店に比べて良心的なお値段でした。
ミュージアムショップには魅力的なものがたくさんあります。バウハウスに関する書籍はもちろん、バウハウス的なもの色々、という感じのセレクトです。書籍は買いすぎると渡航時にスーツケースの重量がオーバーするのと、日本でも入手可能である可能性が高いので慎重に選びます。電気製品もバッテリーが入っていると預け荷物に入れられないのでNGです。長時間吟味し、デザインサンプルとして「これは!」と思うものをいくつか調達しました。

ちなみに、ミュージアムやバウハウス校舎、マスターズハウスなど各所のチケットは9€ですが、2箇所目以降は6€ずつセット購入できるのと、全箇所まとめて25€というチケットもあります。


畔柳

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バウハウスの校舎

ドイツ旅行記 5

ベルリン国際空港から電車を乗継ぎ2時間半、デッサウのバウハウスへ行きました。

駅から歩いて行くと、先に旧学生寮が見え、その向こうがメインの校舎です。渡り廊下をくぐり、大通り沿いから校舎の正面へ向かうと・・・・

まさかの工事中。足場に、だらーんと仮の布製ロゴがついています。改装工事中の店舗に「営業中」と書いてあるのと同じ手法です。完全に、「教科書で見たやつ!」と言うつもりで辿り着いた正面は思っていたのと違いました。外壁がかなり傷んでいたので補修しているようです。どなたか、いつか補修後の様子を撮影されたらぜひ見せていただきたいです。

これは模型。


畔柳

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ドイツのパン

ドイツ旅行記 4

クロワッサンやマフィンでなければ、ドイツのパンは大概表面が固いです。チャバッタも固いし、Roll と書いてディッシュプレートに添えられるパンも固いです。サンマルクで食事中にもらうパンを想像してはいけません。バウハウスの食堂でスモークサーモンとRoll のセットを頼み、Rollにサーモンを挟んで食べましたが、口の中、上顎が大変に傷つきました。反省して2個目のRollはスライスしたRollにサーモンを乗せ、オープンサンドにしていただきました。これが正解です。なお、そもそもサンドイッチとして販売されているものはかぶりつく他ないので、負傷は避けられません。

畔柳

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京都で言うと

ドイツ旅行記 3

海外へ行くと、現地で目的地までの距離感がつかみにくいこと、ないでしょうか。googleマップで検索すれば移動に必要な時間や手段は明確にわかるのですが、マップを自在にズームインアウトするうちに、地点間の距離が長いのか短いのか、よく分からなくなります。紙の地図の縮尺は一定ですが、デジタルな地図のUIには地図としての不動の縮尺が無く、いつも画面の中で相対的に距離や大きさを捉える必要があります。

そこで私は、「京都で言うと」を用います。距離感やスケール感において、自分に実感のある場所に置き換えるのです。
旧友のデュッセルドルフでの住居は、私が宿泊している場所が京都駅前のホテルだとしたら北大路か鞍馬口くらいの場所でした。地下鉄でこちらに来てもらったり、自分が向こうへ行くのに気兼ねの無い距離です。デッサウのバウハウス校舎は二条城の二の丸御殿くらいの大きさでした。あるいは大徳寺の本堂の建物。京都国際マンガミュージアムより少し大きいくらいです。

ちなみに以前訪れたスタンフォード大学の敷地は、京都で言うと賀茂川と高野川と北山通で囲まれる三角エリアほどあります。これは事前に知っておいて本当によかったと思います。日本の大学をイメージしていたら、目的の建屋に辿り着けませんでした。大学構内を移動するために自転車のレンタルは必須です。その時スタンフォードデザインスクールに在学していた知人は「車で大学構内に迷い込んで『どうしてもスタンフォード大から出られないの!』と困っているおばさんを助けた」ことを話してくれました。恐るべき広さ。

畔柳

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